
ライディングジャケットって、結局何着必要?
バイクのジャケットは、1着あれば十分だと思っていませんか?
「オールシーズン対応」と書かれたジャケットを買ったものの、夏は暑すぎて着られない…そんな経験をしたライダーは少なくないはずです。
この記事では、「バイクのジャケットは結局何着必要なのか?」という疑問に、正直な答えを徹底解説します。季節ごとのジャケットの役割と、あなたにぴったりの賢い揃え方を知れば、もうジャケット選びで失敗することはありません。
オールシーズンという名前に踊らされるな





オールシーズンジャケットって、一年中着られるってことだよね?
あなたは、「オールシーズン」という言葉を聞いて、春夏秋冬すべての季節で着用できるジャケットだと思っていませんか?もしそうなら、その考えは少し危険です。
大抵のオールシーズンジャケットは、外側のアウターと、取り外し可能なインナーで構成されています。このインナーを着脱することで、気温の変化に対応できる、つまり一年中使える、と謳われています。
しかし、よく考えてみてください。真夏の厳しい暑さは、長くて2〜3ヶ月という短い期間です。対して、春・秋・冬の3シーズンは、9〜10ヶ月と非常に長い期間にわたります。
そのため、オールシーズンジャケットのアウターは、真夏に特化した作りにはなっていません。どちらかといえば、少し肌寒い季節でも対応できるような作りになっているのがほとんどです。真夏には暑すぎて、とても着ていられないでしょう。
なぜ、オールシーズンジャケットは「夏」に使えないのか?



結論から言います。真夏のオールシーズンジャケットは、地獄です。
正直なところ、僕はオールシーズンジャケットを真夏に着た経験はありません。しかし、ハーフメッシュのジャケットですら、真夏の異常な暑さに耐え切ることは非常に難しかったです。
熱中症一歩手前。真夏のライディングは想像以上に過酷


真夏のライディングは、想像以上に過酷です。信号待ちでは、じっとりと汗が噴き出し、熱がこもって息苦しさを感じます。熱中症一歩手前になったこともあります。もしこれが、通気性のないオールシーズンジャケットだったら…と考えると、ぞっとします。
なぜ、メッシュジャケットが必要なのか?


バイクに乗る際は、安全のために長袖長ズボンが基本です。私服のように半袖短パンで済ませるわけにはいきません。だからこそ、ジャケット自体の通気性が命になります。
メッシュジャケットは、風を体に直接通すことで、走っている間中、体を冷やしてくれます。これは単なる快適さだけでなく、体温調節を助け、熱中症を防ぐための、最も重要な機能と言えるでしょう。
真夏には真夏用のジャケットが必要です。オールシーズンジャケットは、夏以外の3シーズンを快適に過ごすための「スリーシーズンジャケット」だと割り切って考えましょう。
季節別!ライディングジャケットの種類と役割



一年中、快適に走るための正解はこれだ!
ここでは、季節ごとにどのようなジャケットを選べばいいのか、それぞれの役割を具体的に解説していきます。
春・秋用:オールシーズンジャケットの役割と特徴
なぜ春や秋に最適なのか?


オールシーズンジャケットが最も本領を発揮するのは、気温が変わりやすい春と秋です。このジャケットの最大の魅力は、気温の変化に柔軟に対応できること。
着脱式のインナーを付け外しすることで、寒暖差が激しい季節でも快適な体温を保つことができます。さらに、ベンチレーション機能が付いているモデルであれば、暑くなってきたら風を取り込み、汗を乾かすことも可能です。
バイク乗りにとって、体温調整ができるツールは非常に重要です。気温の低い山間部を走る際はインナーを着て暖かく、都心部に戻ってきて気温が上がればインナーを脱ぐ。このように快適な状態を維持することは、ツーリングの体力を温存することにもつながります。
重要な機能と選び方のポイント


オールシーズンジャケットを選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。
- プロテクター
命を守る上で最も重要なのがプロテクターです。肩、肘、背中などにプロテクターが内蔵されているかを確認しましょう。また、デフォルトのプロテクターでは心もとないケースもあるため、必要に応じてアップグレードも検討しましょう。 - デザインと愛着
どんなに高機能なジャケットでも、着ることに抵抗があれば意味がありません。自分が心から「着たい」と思えるデザインや色を選びましょう。愛着が湧けば、自然と着用する回数も増え、安全にもつながります。 - 防水性
突然の雨を想定するなら、防水性のあるジャケットも良いでしょう。本格的な雨にはレインウェアが必要ですが、急な小雨程度であれば、防水ジャケットで十分しのげます。ただし、僕のように「雨予報なら乗らない」という場合は、防水性をそれほど重視する必要はありません。
夏用:メッシュジャケットの選び方と役割



夏はとにかく涼しいジャケットが欲しい!
夏のライディングを快適に、そして安全に楽しむためには、メッシュジャケットが不可欠です。メッシュジャケットを選ぶ際のポイントは、どれだけ風を通すか、この一点に尽きます。
ハーフメッシュではなく、フルメッシュを選ぼう


メッシュジャケットには大きく分けて、ハーフメッシュとフルメッシュの2種類があります。どちらも夏のライディングに対応していますが、真夏の過酷な暑さを考えると、フルメッシュジャケットを選ぶべきです。
ハーフメッシュでも走行は可能ですが、体全体で風を受けられるフルメッシュに比べると、涼しさの効果は段違いです。真夏の炎天下では、わずかな涼しさの違いが、ライダーの疲労度を大きく左右します。
真夏は、どんなジャケットを着ても暑い


フルメッシュジャケットでも、暑いと感じることはもちろんあります。真夏の炎天下では、裸でいても暑いのは当然です。
メッシュジャケットが最も効果を発揮するのは、走行中です。走行風が体全体を通り抜けてくれるので、ある程度の涼しさを感じることができます。しかし、信号待ちや渋滞にはまった時は、風が止まるので、どうしても暑さを感じてしまいます。
それでも、真夏のライディングで熱中症のリスクを下げるためには、フルメッシュジャケットが最高の選択肢となります。
冬用:ウィンタージャケットの役割と選び方



冬のツーリングは、寒さが最大の敵…
しかし、適切な装備を身につければ、寒さを気にせず快適に走ることができます。
冬の走行風は「凶器」


バイクに乗らない人には想像しにくいかもしれませんが、冬の走行風は単に寒いだけでなく、痛みを伴う「凶器」と化します。
真冬に氷水を入れたバケツに手を突っ込むようなものです。最初は冷たいと感じても、次第に感覚がなくなり、やがて痛みに変わっていくでしょう。バイクに乗る際は、この走行風から身を守るための防寒・防風対策が何よりも重要になります。
ウィンタージャケットに求めるべきは、以下の3つの機能です。
- 防寒・防風性能
外からの冷たい風を完全にシャットアウトし、体温が奪われるのを防ぐ機能です。また、衣服内の熱を外に逃がさない断熱性能も重要です。 - 防水性能
雨天時の走行を考えているなら、防水性も欠かせません。もし雨で体が濡れた状態で走行風にさらされると、体温は急速に低下します。これはツーリング体力の低下や、集中力の散漫に繋がり、事故のリスクを高めます。 - プロテクター内蔵
安全性のため、プロテクターが内蔵されているか、または後から装着できるかを確認しましょう。
ウィンタージャケットとインナーウェアの組み合わせ


ウィンタージャケットは、その優れた防寒性から、真冬の時期にしか着用できないことがほとんどです。そのため、インナーウェアとの組み合わせが非常に重要になります。
インナーを外したアウターのみの着用は、春や秋にも使えます。ただし、時間帯や場所によっては、暑かったり寒かったりします。特に標高の高い山間部では気温が下がるため、インナーを携帯しておくと安心です。
ウィンタージャケットを賢く使うことで、冬のツーリングも快適で安全に楽しむことができます。
賢く揃える!おすすめの買い方と組み合わせ



結局、どのジャケットから買えばいいの?
そう思っているあなたのために、ここでは具体的な購入の順番と、僕が実践している組み合わせ例を紹介します。
最初に買うべきは「オールシーズンジャケット」


ライディングジャケットを初めて買う、または買い替えるのであれば、まずはオールシーズンジャケットから購入することをおすすめします。
オールシーズンジャケットは、その名の通り、春・秋・冬のスリーシーズンをこれ一着でまかなうことができる汎用性の高さが魅力です。非常にコストパフォーマンスに優れており、最初の相棒としてこれ以上ない選択と言えるでしょう。
ただし、真夏の走行はオールシーズンジャケットでは非常に困難です。サウナスーツを着てランニングをするようなもので、一発で熱中症になりかねません。「今、ジャケットを買いたい!」と思っている時期が夏の入り口であれば、迷わずフルメッシュジャケットを先に購入しましょう。
次に買い足すなら「メッシュジャケット」


オールシーズンジャケットをすでに持っているなら、次に買い足すべきはメッシュジャケットです。
オールシーズンジャケットでは乗り切れない夏のツーリングを、快適に、そして安全に楽しむためには、メッシュ系のジャケットが不可欠です。
真夏の走行をメインで考えているなら、体全体で風を受けられるフルメッシュジャケット一択です。しかし、「真夏は暑すぎるからツーリングに行かない」という方もいるでしょう。その場合は、春や秋にも使えるハーフメッシュジャケットも良い選択肢です。
実際に試してきた組み合わせ例


以下に、僕が実際に使ってきた組み合わせを紹介します。参考にしてみてください。
- 夏:フルメッシュジャケット+速乾性の半袖Tシャツとアームカバー
- 春秋:ウィンタージャケットのアウターのみ。ただし、日中は暑さに耐えることも多々あります。
- 冬:ウィンタージャケットのアウター+インナー、さらに極寒の日は背中やお腹にカイロを貼ることもあります。もちろん、ヒートテックなどのインナーウェアも必須です。
まとめ:安全と快適は、賢いジャケット選びから



これでジャケット選びに迷うことはないぞ!
ここまで、季節ごとのジャケットの役割と、賢い揃え方について解説してきました。
「バイクのジャケットは3着必要?」という疑問への答えは、あなたのバイクライフスタイルによって変わります。しかし、夏用、春秋用、冬用と季節に合わせたジャケットを揃えることが、安全で快適なライディングに繋がることは間違いありません。
バイクは、時に過酷な環境を走る乗り物です。だからこそ、ウェア類は安全を確保するための重要な装備となります。気温や天候に合わせて適切なジャケットを選ぶことで、体力の消耗を防ぎ、集中力を維持することができます。
僕自身、季節ごとにジャケットを使い分けるようになってから、バイクライフがより快適で豊かなものになりました。もう、真夏の暑さや真冬の寒さに悩まされることもありません。
この記事が、あなたのバイクライフをより安全に、そして快適にする一助となれば幸いです。
コメント