にこぞう夜のバイクに、余計なモノは一切いらない。集中力と体温を奪う荷物は、家に置いてこい
夜の道は魅力的ですが、昼間とは環境が一変します。暗さによる視界の制限、急激な気温の低下、そして交通量が減るからこそのリスク。
最高の集中力を保ち、安全かつ快適に夜の静寂を楽しむために、何よりも重要になるのが、ライダー自身の「準備」と「哲学」。
ナイトツーリングを実践する上で、最も大切にしているのが「徹底的な荷物の軽量化」と「安全性を最優先した装備の厳選」。眠くなるような体力なら走るべきではないという前提のもと、夜の走行で集中力を削ぐ要素は極限まで排除すべきだと考えます。
僕の実体験と哲学を語りつつ、ナイトツーリング時の持ち物を解説していこうと思います。
夜の走行哲学:ナイトツーリングは「軽量化」が最優先



荷物が多いほど、集中力は分散する。短くても最高の走りを求めるなら、「減らす勇気」を持つべきだ。
この夜の走行哲学は、僕自身が都心近郊でショートツーリングを繰り返す中で培ってきたものです。最高の集中力と気軽さを両立させるため、まずは僕のツーリングの「前提」と「考え方」からお話ししていきます。
ここで言うナイトツーリングの前提を伝えておこう


この記事でお話するナイトツーリングは、僕のライフスタイルに基づいており、前提を最初にお話ししておきましょう。
都内寄りの千葉に住んでいるので、ナイトツーリングといえばもっぱら大都市東京となります。
ナイトツーリングで走る時間帯だいたい20時~24時、遅くても25時まで(これでも遅いけどね)には家についている感じです。


仕事終わりの気分転換に、一人になりたいから、そんなときに走っています。
したがって、真っ昼間から深夜までのスーパー長距離ツーリングではありませんし、深夜に出発して朝方に目的地につくといった走行も、この記事では目的にしていません。
夜に出発して夜の間に帰宅する。そんなちょっとしたショートナイトツーリングと言い換えてもいいでしょう。
アパート住まいなので、夜遅くの帰宅は周辺住民にも迷惑がかかると思っています。バイクのエンジン音は意外と響きます。ましてや皆が寝静まっている夜だと、音がなおさら響き、貫通することでしょう。
ナイトツーリングは「楽しい」が、「集中力」がすべて


どんな時間帯でもバイクに乗ることは楽しいものですが、特にナイトツーリングは最高です。しかし、その楽しさと引き換えに、私たちは視界の悪さや寒さといった昼間にはないリスクを受け入れています。
だからこそ、僕自信の走行哲学は「気軽さ」と「集中力維持」これにつきます。この「気軽さ」と「集中力維持」の両立を可能にするのが、「徹底的な荷物の軽量化」なのです。
なぜショートツーリングでも荷物を「減らす」べきか


「短時間だから、荷物は適当でいい」と考えるのは間違いです。 むしろ短い時間だからこそ、最高の集中力を発揮すべきであり、そもそも論、気軽に走るのに、荷物が多ければ意味がありません。
荷物が多いと準備に手間取り、走り出すまでに時間も要するので「気軽」とは言えず、ナイトツーリングのハードルが高くなってしまいます。そのため、荷物は最低限のものにしつつ、でも安全と快適さには抜かりなく準備することが重要です。
荷物を減らすメリットは以下の通り、集中力の維持と疲労軽減に直結します。
- 俊敏性
- トラブルを回避するための俊敏な動作を妨げないためにも、体はフリーであるべきです。
- 疲労軽減
- 荷物が軽ければ、体への負担も軽減され、疲労の蓄積を防げます。
- 集中力の維持
- 荷物が体に当たったり、ずれたりする物理的なストレスは、気づかぬうちに集中力を削ぎます。夜間は視界が悪い分、集中力は昼間以上に貴重です。
厳選!必ず持参する「基本の最小アイテム」



荷物は減らすが、必要なモノは減らさない。「もしも」の時に命を繋ぐ、最低限のセキュリティを確保せよ!
第1章で述べた通り、僕のナイトツーリング哲学は「軽量化」と「気軽さ」です。しかし、荷物を減らすことと、安全を疎かにすることとは全く違います。
昼間以上にトラブル対応の難易度が上がる夜間だからこそ、最低限の「もしも」に対応できるアイテムを厳選し、確実に携行することが重要です。
「財布は持たない」現金・カードの管理術


財布はかさばる持ち物の筆頭です。というかツーリングで財布は無駄。ポケットの分厚さは集中力を削ぐため、ナイトツーリング時には財布自体を持ち歩かないようにしています。
現金管理には、100円ショップで購入したジッパー付きの透明なプラスチック袋(薄いジッパー袋)を活用します。
- 現金
- クレジットカードがあればガソリンやコンビニでの買い物は可能ですが、公園の自販機などで飲み物を買うこともあるため、最低限の2,000円を入れています。
- クレジットカードがあればガソリンやコンビニでの買い物は可能ですが、公園の自販機などで飲み物を買うこともあるため、最低限の2,000円を入れています。
- カード
- 免許証、自賠責保険証、クレジットカード、ETCカードのみを厳選。
現金やカードをいくら入れても大した厚みにはならず、しかも軽量です。ナイトツーリング専用の薄いジッパー袋を用意すると非常に便利です。
2.2. ナイトライダーの命綱!緊急時対応のアイテム


トラブル回避と、万が一の際の帰宅支援のために欠かせない、夜間特有の必須アイテムです。2.1で紹介した袋のサイズ次第ですが、下記のグッズもすべて2.1の袋にまとめることも可能です。
モバイルバッテリー
スマホの充電が切れることは、暗闇で道に迷い、連絡手段を失うことを意味するため、容量と軽さのバランスを考えた上で持参しています。
僕はナビ専用の旧型iPhoneとプライベート用の2台持ちで、ナビはテザリング頼みです。そのため、プライベート用スマホの電池が切れると、ナビも連絡手段も同時に機能停止してしまうリスクがあります。この特殊な事情から、僕は小型のモバイルバッテリーを必ず携行しています。
ただし、これは僕の特殊な事情です。スマホ1台で、かつ車体からの給電が安定しているライダーは、モバイルバッテリーは不要かもしれません。
ロキソニン(痛み止め)
僕にとってロキソニンはお守りです。頭痛持ちの僕からすると、持っていないと少し不安です。体調不良でなくとも、純粋に筋肉痛や筋の痛みなどにも有効な薬です。もちろん根本を治療する薬ではありませんが、自宅まで安全に運転をする上で、体調不良や痛みを緩和することは非常に重要です。事故を起こさずに帰宅をすること。ここを考えると、言葉は悪いですが、強制的に体調不良をごまかす薬としてロキソニンは有用です。ピルケースが面倒な場合は、2.1で紹介したプラスチックジッパーに入れておけば、かさばることもありません。
自賠責保険証
持ち歩くのは面倒ですが、事故ったら自賠責保険証を警察に見せる必要があるので、持参する必要があります。僕はレッドバロンで購入したため、赤いジッパー袋にまとめて入れていますが、これも折り畳めば2.1の袋に入れることができなくはありません。
安全と快適を両立!夜間走行のための「格好の工夫」



夜のバイクは、ただ「暗い」のではない。「見えない」からこそ、昼間以上に目立つ工夫が必要になる。
ナイトツーリングにおける「格好」は、快適さだけでなく、自身の命を守るための最も重要な装備です。どれだけ運転技術があっても、他の車や歩行者から見えなければ、事故のリスクは跳ね上がります。ここでは、「相手に見られる工夫」と「自分がよく見るための工夫」の二点に焦点を当てます。
「相手に見られる」ための反射材付きウェア


夜間走行で事故のリスクを減らす最大の対策の一つが「被視認性(ひしにんせい)」の確保です(相手からの見られやすさ)。道路が空いている夜間は、周囲の運転者も注意力が散漫になりがちであり、自分のバイクのライトだけでは存在を認識されない可能性があります。
推奨するのは…やはりライディングジャケット。ライディングジャケットは、安全性を考慮して腕や背中などに反射材を巧妙に配置しています。これらの反射材が、後続車のヘッドライトを鋭く反射し、自分の存在を遠くから知らせてくれます。昼間のデザイン性を優先して反射材の少ないウェアを選ぶのは非常に危険です。
「自分がよく見る」ためのクリアシールド一択


第2章で「軽量化」を追求しましたが、ヘルメットのシールドは、視界の「質」を確保するために、絶対に妥協してはいけない部分です。
- ヘルメットのシールドはクリアシールド
- これはナイトツーリングにおける鉄則です。日中、眩しさ対策に有効なスモークシールドやミラーシールドは、夜間になると視界を大幅に奪う「走行の障害」に変わります。これは夜間にサングラスをかけているのと同じ状態です。
- これはナイトツーリングにおける鉄則です。日中、眩しさ対策に有効なスモークシールドやミラーシールドは、夜間になると視界を大幅に奪う「走行の障害」に変わります。これは夜間にサングラスをかけているのと同じ状態です。
- クリアシールドでも見えにくい
- 街灯が少ないエリアでは、クリアシールドでも十分な明るさが確保できず、見えにくいと感じるほどです。この状況でスモークがかかったシールドで走行するのは、非常に危険であり、筆者としては恐怖を覚えます。
走行前には必ずシールドの汚れを拭き取り、最大限の視界を確保しましょう。


格好の変更がないように準備しておく


荷物を増やさず、集中力を維持するため、ナイトツーリング中の着替えや大幅な服装変更はないようにしておきましょう。
ライディングジャケットは、インナーとアウター双方で温度調整を行うのが一般的です。日中のツーリングであれば、インナーを持ち歩いて脱いだり着たりする温度調整はありですが、ナイトツーリングではこれはおすすめしません。
一つは荷物の増加に繋がること、もう一つは、夜間走行時間内は、朝と夜のように極端な寒暖差がないため、温度変化が少ないところです。
インナー着脱の価値は薄いため、一発でその日の夜の寒さに合った防寒レベルを合わせるようにしておきましょう。
まとめ:快適な夜の走りは「軽量化」と「準備」から始まる



余計なものはすべて排除した。バイクと最高の集中力で、静かな夜の道を楽しんでほしい
本記事では、ナイトツーリングを「気軽に、安全に、そして最高の集中力で楽しむ」という哲学のもと、持ち物と工夫を解説してきました。
昼間のツーリングは、荷物が増えても楽しめますが、夜の走行は違います。視界が悪い夜間は、集中力を削ぐ全ての要素を排除することが、最大の安全対策となります。
ナイトツーリングは、仕事を終えた後の心の解放であり、バイクと一対一で向き合う静かな時間。この特別な時間を、「余計なものを持たない気軽さ」と「安全への徹底したこだわり」を持って、最大限に楽しんでください。








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