
ニーグリップ時に膝プロテクターが邪魔に感じる事あるんだよな…
KOMINEのオーバーパンツを履いてninja650に跨った時、乗車しているだけでストレスを感じたのがきっかけです。「ニーグリップがしにくい」と表現は簡単ですが、運転への集中力を削ぐほどの不快感を個人的には感じた程です。
車種や体の柔らかさによって感じ方も違いますが「膝のプロテクターがニーグリップの邪魔をする」というこの事象に、驚きを隠せませんでした。まだ誰も発信していないだけで、「膝プロテクターとバイクとの相性」に悩み、解決策を探している方もいるかもと思い本記事を書いております。
ニーグリップ時の違和感の原因を理解し、快適なライディングを実現するための解決策を示していきます。
なぜ?ハードプロテクターがニーグリップの邪魔になるのか

ニーグリップ時のあの不快感、その主な原因はハードプロテクターの素材と形状にあります。多くのハードプロテクターに採用されている硬質なプラスチック素材は、バイクのタンクという金属製のパーツに対し、面でしっかりと密着せず、点で当たる傾向があります。この「点で当たる」状態が、まるで小さな異物が挟まっているような、不安定で気持ち悪い感覚を生み出します。
特に、ウェアの上から装着するタイプのハードプロテクターを想像してみてください。硬いプラスチック部分がタンクの曲面に沿わず、走行中に「カンカン」と擦れ合う音が聞こえてきそうではありませんか? これは、プロテクターとタンクが互いに干渉し、ライダーのニーグリップの感覚を大きく損なう要因となります。
車種と乗車姿勢が影響する?

スポーツバイク特有の前傾姿勢もこの問題を深刻化させます。前傾姿勢では、自然と膝がタンクに向かって突き出る形になります。ニーグリップは、太ももから膝にかけてタンクをしっかりと挟み込むことで車体との一体感を高め、安定したライディングに繋がる重要なテクニックです。
しかし、膝に硬いハードプロテクターがあると、この挟み込む動作がスムーズに行えません。 プロテクターの硬い部分がタンクとの間に挟まり、ダイレクトなホールド感を妨げてしまうのです。
逆に言えば、前傾姿勢が比較的緩やかなバイク、例えばネイキッドモデルやツアラーなどでは、膝が大きく突き出ることも少ないため、ハードプロテクターによる違和感は軽減される可能性があります。ニーグリップの際に膝がタンクに強く当たる体勢になりにくい分、ハードプロテクターの存在が気になりにくいのです。
このように、ハードプロテクターの素材、形状、そしてスポーツバイクの乗車姿勢が複合的に作用することで、ニーグリップ時の不快感が生じてしまうのです。
それでも守りたい!膝プロテクターの必要性

「膝プロテクターなんてしなければ、あの邪魔な異物感から解放されるのに…」と感じる気持ちはよく分かります。ハードだのソフトだのと悩むこと自体、プロテクターをしなければ起こらない問題です。しかし、万が一の事態を考えると、膝プロテクターの着用は強くおすすめします。
バイクで転倒した場合、体の中でも特に地面と接触しやすいのが膝です。そして、膝の怪我は、想像以上に治りが遅く、日常生活に大きな支障をきたす可能性を秘めています。ちょっとした打撲でも数週間痛みが引かないこともありますし、靭帯や半月板を損傷してしまうと、完治までに数ヶ月、あるいはそれ以上の時間を要することも珍しくありません。
バイクに乗る楽しさを長く味わうためにも、膝の保護は決して軽視できない!
プロテクターを装着していなくても、交通法規に触れるわけではありません。また、プロテクターを付けているからといって、100%膝の怪我を防げるわけではないのも事実。

それでも、プロテクターを装着することには大きな意味があります。それは、事故に遭ってしまった際の怪我のレベルを一段階下げてくれる可能性があるということです。強い衝撃をプロテクターが吸収してくれることで、直接膝にダメージが加わるのを防ぎ、骨折や靭帯損傷といった重傷のリスクを軽減してくれることが期待できます。
膝は、バイクに乗る上ではもちろん、日常生活を送る上でも非常に重要な関節です。もしもの時のリスクを考えると、最初からしっかりと保護しておくことこそが、賢明な選択と言えるでしょう。
たかがプロテクター一枚、されどプロテクター一枚。未来のバイクライフと、その後の日常生活を守るための大切な備えとなります。
解決策:快適なニーグリップを実現するソフトプロテクター

プロテクターの性能レベルを表すCEレベル。ライダーなら馴染のある指標でもあります。基本的にCEレベル1よりCEレベル2の方がより高い保護性能を発揮すると言えます。
その中でも、CEレベル2はソフトプロテクターであることが多く、ハードプロテクターと比較しても快適なニーグリップに貢献すると言えるでしょう。
チェック
- 柔軟性: 膝の動きに合わせて自然に変形。タンクとの間に無駄な隙間や圧迫感を生まず一体感を高める。
- 衝撃吸収性: 事故の膝へのダメージを軽減。プロテクター自体が適度なクッション性を持ち、タンクとの接触面における異物感を緩和する。
- 異物感の軽減: ハードプロテクターのような硬質な素材ではないため、タンクに接触した際のゴツゴツとした不快感がなく、ライディングに集中しやすい。
ソフトプロテクターの持つ柔軟性と適度なクッション性は、ニーグリップ時にライダーの膝とタンクがより密着することを可能にします。
面で優しくフィットするため、バイクとの一体感が増し、より正確で安定したニーグリップを実現可能とします。特にスポーツバイクや長距離ツーリングにおいて、疲労軽減や操作性向上に大きく貢献する事でしょう。
おすすめのソフトプロテクター紹介

ハードプロテクターによるニーグリップの違和感を解消するには、膝とタンクの間に異物感を生じさせにくいプロテクターを選ぶことが重要です。その点で、CEレベル2認証を取得したソフトプロテクターは最適な選択肢と言えるでしょう。
CEレベル2のソフトプロテクター:高い衝撃吸収性能と、柔軟性が両立が可能
ハードプロテクターのような硬質な素材ではなく、衝撃を効果的に吸収する特殊な素材が用いられ、優れたクッション性を備えています。
このクッション性が、タンクと膝が触れ合う際にまるで吸い付くような一体感を生み出し、ハードプロテクター特有のゴツゴツとした異物感を大幅に軽減してくれます。
特におすすめしたいのが、RSタイチのステルス CE(LV2) ニーガードです。
ステルス(隠密)という名前の通り、付けていることを意識させないほどの自然なフィット感を実現します。さらに、外部プロテクターのようなゴツゴツとした見た目にならないため、プロテクターの装着に対する心理的なハードルを下げる効果も期待できます。
快適性だけでなく、スタイルも損なわずに安全性を確保したいライダーにとって、非常に魅力的な選択肢となり得ます。
RSタイチのステルス CE(LV2) ニーガードの特徴
- CEレベル2の高い安全性
- 薄型で柔軟性に優れているため、装着時のごわつきが少ない
- ニーグリップの妨げになりにくい
まとめ:快適なライディングのために
この記事では、スポーツバイクとハードタイプの膝プロテクターの組み合わせが、予期せぬニーグリップの違和感を生み出し、ライディングのストレスに繋がる可能性があることを解説してきました。
解決策として、CEレベル2認証を取得したソフトプロテクターを推奨します。柔軟性と衝撃吸収性を兼ね備えており、ハード特有の異物感を軽減し、バイクとの一体感を高め、快適なニーグリップをサポートします。
安全性の確保は、バイクを楽しむ上で最も重要な要素の一つです。万が一の事態に備えつつ、ライディングの快適性を損なわないためには、適切なプロテクター選びが不可欠。ソフトプロテクターは、その両立を可能にする現実的な選択肢となりえます。